暮らしの現場

人気マンション「ロイヤルアネックス」の秘密。暮らしを愉しむ住人がもたらした副産物とは

2013/08/28

小原 憲太郎
小原 憲太郎

colish代表

大学時代に開発したSNSサービスで起業。その後IT企業に就職し、モバイルサービスの企画・新規事業企画を担当。2011年に独立し、コンセプト型シェアハウスのポータルサイト、colish (コリッシュ)http://colish.net を立ち上げる。これまでに、プログラミングを学び合うシェアハウス、英語と日本語を本気で学び合うシェアハウス『家中留学』インドネシア進出支援シェアハウスを立ち上げ、現在はコンセプト型シェアハウスのプロデュース、コンサルティングを行っている。

「壁紙が選べる部屋」、借り手が作り手になる「オーダーメイド賃貸」という、なんとも斬新な試みをしている賃貸マンションが東池袋にあります。「とてもマンション内のコミュニティがいい」と、前々から噂を聞いていたのがロイヤルアネックス。大家さんの青木さんにお話を伺いました。

もともと、青木さんのおじいさんが所有していたマンションを引き継いだのがきっかけ。しかし震災直後に空室率が3割近くという危機的状況。その時、「これまで通りではだめだ」と思い考えたのが「選べる壁紙」。家を買ってでしか出来ないようなデザインカスタマイズの要望に応えるサービスの始まりです。


そこに居ないのに感じる、暮らしを愉しむ息づかいとホスピタリティ


「じゃー、さっそく見ましょうか」と言うと、青木さんが住人さんの部屋の鍵を開けているじゃありませんか。

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平日の昼間に伺ったので、もちろん住人さんは留守。
住人さんと青木さんの信頼関係があってこそできること。そう思うと期待値がぐんとあがります。

入るとそこには来客用スリッパが。青木さんに頼まれたわけでなく、住人さんが用意してくれていたのです。そこに居ないのに「どうぞお入り下さい♪」と迎えられているようでとても嬉しいです。

部屋は壁紙やキッチンは勿論、家具1つ1つ、おいてある雑貨類に至るまでとても素敵にデザインされています。

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ふと壁に目をやると、そこには青木さんと小原にメッセージが。「おせんべいもあるのでどうぞ!」、のお言葉に甘えていただきました。

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「ではもう1つご紹介しますね」と別の方のお宅へ。
と、またしてもスリッパが。(なんでしょう、この温かみあふれるおもてなしは。)

リビングに入るとそこには懐かしい光景。「おいしくな~れ」と手間ひまかけて作られていくだろう梅干したちが。きっと出来上がったらご近所さんにおすそわけされていくんだろうな。

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冷蔵庫に目をやると、そこには屋上菜園の水やり当番表が。この菜園は、住人さんからの提案ではじまり、みんなで水やりをしているとのこと。

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普通のマンションなら、管理人サイドに「やってもらうサービス」と捉えるところですが、ここでは「みんなの楽しみ事」になっているようです。

続いてKさん宅へ。

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ここに移ってくる前は、DIYが自由にできるヴィンテージマンションに住んでいたそうです。人気物件でしたが、どうしてもカスタマイズが制限される部分があったそうです。そんな時ロイヤルアネックスの存在を知り引越し。打ち合わせを何度も重ねて住みたい部屋をデザインでき、とても満足されているとのこと。
まだ引っ越してきて半年くらいですが、12、13世帯の方とお付き合いがあるのだそう。

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買ったものかと思いきや、実は手作りの一品。

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ガスコンロの縁まで丁寧にタイルが。こだわりが感じられる。

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Kさんにお土産をもらってにんまりする青木さん。

お次は「HAGU」と名付けられたシェアハウス。3LDKの間取りを生かして作られており、現在は3人の女性が住んでいます。

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部屋の中は、昨日完成したばかりと思わせるほど綺麗。

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そしてまたまた来ました。可愛らしい置き手紙が。

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住人の女性たちは、あっという間に仲良しになったそうです。こういう置き手紙や、綺麗で居心地よく保たれている部屋に、ひとや暮らしを大切にしている気持ちが感じられました。


ロイヤルアネックスのほっこりストーリー


滞在している間にも素敵なできごとがあったのですが、他にも素敵なストーリーをたくさん聞いたので超ダイジェスト版でご紹介。
・清掃担当のおじいちゃんの誕生日に、住人発案でみんなからのお祝いメッセージ付きの色紙を送ってあげたこと。
・HAGUの内覧会に来た方のために、住人さんがわざわざお菓子を作って持ってきてくれたこと。
・ロイヤルアネックスへの入居日と入籍日を合わせてくれたご夫婦のこと。(奥さまは旦那さんの誕生日にサプライズメッセージを壁に書かれたそう。取材当日もあるご夫婦の部屋で、似たような光景を目にしたのでご紹介。日常にこういうサプライズがあるってほんと素敵なご夫婦♪)

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僕がやっているのは「エンタメ業」。青木さんが残した余白と住人への信頼。


改めて青木さんに、なぜロイヤルアネックスがこういう素敵な場所に育ったのかを聞いてみました。

「これまでのように、こちら側が勝手に想像して家を作る時代ではない。もちろん入居者の方は建築やデザインのプロではないけど『こういう生活がしたい』という暮らし方の理想を最大限にヒアリングします。そして、一緒に汗をかいて、愛着が湧くものを作っていく。相手を信頼して余白を残し、預けているんです。」

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「それと、ぼくはコミュニティをつくろうと思っていたわけじゃないんです。『暮らしのデザイン力』が高い人がここには住んでいて、入居してくれた方がみな自然とお付き合いしたくなっちゃうような素敵な人たちだった。そんな人たちが集まり、結果的にコミュニティが自然と育ってきたんです。コミュニティはこちらが作れるものではなく、ゆっくり、じっくり育てていくものだと思います。」
と青木さん。

最後に、青木さんは自身の仕事を不動産業ではなく『エンタメ業』だと言っていました。
ロイヤルアネックスをディズニーランドに置き換えると、青木さんが全体の舞台を用意する裏方。そして住人のみんなは一緒にディズニーランドを作って行くキャストのような、そんな関係だと。素敵な関係ですね。

新たな取り組みも始まっている。
「青豆ハウス」(http://www.aomame.jp/)という、8世帯の共同住宅だ。細かい場所やどんな家にするかは告知せずに入居者の募集を開始したという。「決まっていないと不安」ではなく、「これから一緒に作れるなんて面白そう」とわくわくしてもらえる人と一緒につくりあげたいから、とのこと。ここにもロイヤルアネックスでの経験がいかされているようだ。

愛され大家、青木さんの取り組みに今後も注目です。


—後記—
たった2時間の間に、住人と青木さん、そして住人の方同士の暖かな関係を感じることが出来ました。「お客さんと大家さん」という関係ではなく、お互いに自律した者同士で、持ちつ持たれつ楽しみ合う「おとなのご近所ともだち」といった印象。ぼくもすっかり住人さんと青木さんのファンです(笑)
また、シェアハウスではなく、すでに運営されていたマンションで、こうしたコミュニティがうまれたことに大変驚きました。全国の大家さんにとって、学ぶことの多いモデルとなっていくことは間違いなさそうです。


この記事のポイント

相手を信頼して余白を残し、預けることによって生まれる関係性

そこに居ないのに感じる、暮らしを愉しむ息づかいとホスピタリティ

お互いに自律した者同士で、持ちつ持たれつ楽しみ合う「おとなのご近所ともだち」

ライン
DATA

名称   : ROYAL ANNEX
      (ロイヤルアネックス)

公式HP  : http://ra.maison-aoki.jp/index.html

FBページ : 

所在地  : 東京都豊島区東池袋2-6-2

賃料   : 64,000円~199,000円

管理費等 : 4,000円~10,000円

間取り  : 1R、1LDK、2LDK、3LDK、
       シェアハウスタイプもあり

居住人数 : 現在63戸(最大63戸)

住民構成 : ※

募集状況

満室だが入居待ち受付中


お問い合わせ先

担当者名 青木純
info@maison-aoki.jp

※一人暮らし:4割、夫婦・カップル:4割、ご夫婦:2割。
 クリエイティブ/デザイン関係の方が多いです。

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