暮らしの現場

東京にある田舎もんの集まり、シェアハウスむらびと。

2013/10/09

北條 みくる
北條 みくる

シェアハウス研究生

ICU人類学専攻4年。高校生の時に留学したアルゼンチンでシェアの精神を学ぶ。その後、海外のゲストハウスをまわる中でシェア生活にのめりこむ。日本ではシェアハウスという暮らし方に共感をおぼえ、全国各地のシェアハウスを訪ねてまわる。現在は福岡に移住し、シェアハウスの運営見習い中!

東京ほど日本各地から人が集まってくる都市はほかにはない。隣近所の顔を知らないというのはよくある話だ。しかし、そんな東京にも人と人の繋がりを大事にした小さなムラのようなコミュニティがある。その名も「シェアハウスむらびと」だ。むらびとの創業者のひとりであり、現在、代表取締役副社長の小池正人さんにお話をうかがった。

小池さんがMurabito株式会社をたちあげたのは2008年。23歳のときだった。若者の夢を実現する、応援するということがしたくて事業をたちあげたそうだ。「はじめはシェアハウスをやるつもりではなかったんです。」と小池さん。それがなぜシェアハウスという形になったのだろうか。

mura_2 ▲運営メンバー:右端が小池さん


ルールは「否定をしない」こと。


ヒントは自身の体験にあった。事業をたちあげる前、小池さんは友人8人とルームシェアをしていた。20代前半のやりたいことをやっている最中の若者が集まり、プラスのパワーにみなぎっていた、と当時を振り返る。そのルームシェアでのルールはたったひとつ「否定をしない」こと。連日連夜シェアメイトと語り合うなかで小池さんはそのルールの面白さを実感した。

「例えば、自分が何かに挑戦したいと思ったとき、本気で背中を押してくれる人って実はそんなにいないと思うんです。多くの場合、『やめたほうがいいよ。』とか『なんでそんなリスクをとるの。』みたいなことを言われてしまう。よかれと思って言ってくれているんですけれどもね。でも、そういうのを言わないでトークをするだけでどんどん前に向かっていく感覚がそこにはあったんです。」

 

むらびと誕生。「助け合い、わかちあい、支えあう文化づくり」


そのような環境で過ごしているうちに、しだいに夢を持った人が集う寮をたちあげたいと思うようになった。入寮条件は若いことと夢をもっていること。「自分がいた『応援しあう環境』って、欲しくても手に入らない人たちがたくさんいるんじゃないか、って思ったんです。そういうのを求めている人たちを集めて、そういう環境をつくろうって思いました。」と小池さん。寮という構想は次第に暮らす場所としてのシェアハウスへと移り変わり、つくりたい文化もよりマイルドになった。そして、初期のミッションである「助け合い、分かち合い、支えあう文化づくり」を掲げ、むらびとは2008年4月ついに誕生した。

はじめはそのミッションに共感した友人達が住みはじめ、彼らと何でもさらけ出し合いながら生活していくような濃い時間がはじまった。しかも、むらびとのすごいところはその文化が内側だけで完結していないところだ。遊びに来た人を誰でもオープンに迎えいれる居心地の良さがむらびとにはある。やがて友達の友達が住みはじめ、さらにその友達が住みはじめ…と、様々な人を受容しながら、「むらびと」は緩やかに大きくなっていった。

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一緒に住んでいる人は「家族」。他の家に住んでいる人は「親戚」。


現在、むらびとは都内を中心に9棟展開している。はじめは創業者の2人が中心となってむらびとの文化を発信していた。しかし、むらびとのシェアハウスが増えるにつれ、それぞれのシェアハウスにそれぞれの色がではじめ、文化の担い手は住人へと移り変わっていった。

例えば、『むらびと大山』の平均年齢は25歳と若めである。各入居者の家で過ごす時間帯が重なりやすく、リビングでわいわい過ごすことが多い。入居者揃って遊びにいったりなどシェアを全力で楽しむ元気いっぱいなシェアハウスだ。一方、『コノイエ戸越』は平均年齢30歳。仕事をばりばりこなしている人が多いため平日はそれぞれの時間で暮らしている。そのかわり、週末はホームパーティーで弾けるちょっと大人なシェアハウスだ。

そんなバラエティー豊かな、むらびとのシェアハウスだが、全部をあわせて大きなひとつのシェアコミュニティとなっているのが面白い。イベントはもちろん普段から互いの家を行き来する間柄だ。「一緒に住んでいる人は『家族』。他の家に住んでいる人は『親戚』。」と小池さんは表現する。それだけではない、むらびとを卒業した住人や一度遊びに来た人が繋がり続けるのもむらびとの居心地のよさを物語っている。この夏に行われたむらびとBBQではなんと総勢150人が駆けつけたそうだ。

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自分の居場所と仲間が居る場所


「コミュニティって言葉を使うと難しいけれど、ただ単純に友達とか仲間なんですよね。それって人生に必要なものだと思っているんです。」と小池さん。
友達なんて、シェアハウスじゃなくてもいるよって人はそれでいい。でも、ひとりひとりが忙しく動きまわる東京で、友達をみつけるのは、さらには一緒に住む人をみつけるのは難しい。そんな人達に居場所と一緒に生きていく仲間を提供し続けるのがシェアハウスむらびとだ。もちろん、人間関係が密なぶん、楽しいこともあれば、めんどくさいこともある。しかし、そのすべてをわかちあっているうちに、いつしか住んでいる家が自分の大切な居場所、そして大切な仲間がいる場所へと変わっていく。それがきっと「シェアハウスむらびと」で暮らすということだろう。

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むらびとの原点回帰


今後のむらびとはどのようになっていくのだろうか。この数年でシェアハウス市場は目覚ましく拡大した。それに伴い、多種多様なコンセプトのシェアハウスが登場し、シェアハウスの価値はそれぞれに分散してきた。「そんな今だからこそ、むらびとはシェアハウスで生まれる人と人の繋がりという価値に改めて重きをおきたいんです。シェアして『共同生活を楽しむ』というところを意識したいですね。」と小池さんはいう。

人の繋がりを大事にする文化は生み出すことができる。そんな文化があれば、東京でもあたかも「ムラ」にいるような人と人との距離が近い生活をすることができる。シェアハウスを通して「むらびと」はそんな昔からあるようでなかった東京のライフスタイルをこれからも発信し続けていくのだろう。


この記事のポイント

一緒に住んでいる人は『家族』。他の家に住んでいる人は『親戚』。

むらびとを通して出会い繋がり続ける大きなコミュニティ

ライン
DATA

名称   : マーブル板橋本町

公式HP  : http://www.murabito.co.jp/

FBページ : 
https://www.facebook.com/ShareHouseMurabito

所在地  : 東京都板橋区大和町

賃料   : 48,000円~63,000円

管理費等 : 10,000円

間取り  : 4.4帖~5.6帖 個室×9室

居住人数 : 現在9名(最大9名)

住民構成 : 20代前半~30代中ば、男女 3名:6名
       学生、会社員

募集状況

満室だがキャンセル受付中
(むらびと他物件への紹介受付中)


お問い合わせ先

担当者名 小池
koike@murabito.co.jp

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