暮らしの現場

「脱法ハウス問題」などを受け、日本シェアハウス協会が緊急フォーラムを開催

2013/07/20

内田 勉
内田 勉

空想実現家

メディアエンジン有限会社代表。テレビディレクター/プロデューサーとして、報道・情報番組を中心に2500本以上の制作に関わる。現在はテレビ朝日「グッド!モーニング」を担当。約1年前からシェアハウスにハマり、日本初の鉄道模型シェアハウス「ナインステージ」を開設。楽しい「思いつき」を現実にすべく、日々猛進中。https://www.facebook.com/tsutomu.uchida

日本シェアハウス協会2

2013年10月19日、東京・西新宿で「これからのシェアハウス〜仲間と暮らす新しい家族のかたち〜」というフォーラムが開催されました。(主催:一般社団法人日本シェアハウス協会)


日本シェアハウス協会4

現在では、全国で1,700物件、22,950戸、約520社まで成長したシェアハウス(TOKYOSHAREHOUSE調べ)。

いわゆる「脱法ハウス問題」や「寄宿舎問題※」で業界が揺れる中での開催とあってか、会場には約70業者、約150人が集まりました。4時間にも及んだイベントの一部を紹介します。
※2013年9月6日に国土交通省がシェアハウスに建築基準法の寄宿舎の基準を当てはめるよう自治体に通知した問題。シェアハウスに使える物件の基準が大幅に変わり、影響が大きい。同会において「9・6ショック」と表現。

山本P1170906

まず日本シェアハウス協会の山本久雄代表理事から、協会が「仮称:共生型住宅基本法(シェアハウス基本法)」の制定を働きかけている事が紹介されました。現在シェアハウスには根拠法が無いため、自由な発想で事業が行える反面、行政が場当たり的な対応をせざるを得ないという状況があり、これが「寄宿舎問題」にもつながっています。具体的な動きとしては空き家対策推進議員連盟(会長:宮路和明衆院議員)に議員立法を提案。来年度の成立を目指すそうです。

また山本代表理事からは、協会が独自にシェアハウスの基準を設け、「登録シェアハウス」として認定していく事も併せて紹介されました。

三浦P1170921

『下流社会』の著者でもある消費社会研究家の三浦展氏による特別講演「これからの社会とシェアハウスの必要性」では、社会構造や人口構造の変化に伴い、74歳まで働くような超高齢社会、中高年が中心のお一人様社会が到来すると分析。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の高い暮らしが求められる中で、シェアハウス的なコミュニティが重要になっていくとし、様々な事例が紹介されました。

最後に行われたのが関係者によるパネルディスカッション。筆者が気になった発言をピックアップして紹介します。

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・事業を開始した2006年当時は「シェアハウス? 共同生活なんてやりたい人いないでしょう?」感じだったのが、3、4年前から「シェアハウスって凄いね」っていわれるようになってきた。それが脱法ハウス問題でまた変わり、世間は揺れ動くと感じる。シェアハウスはハードビジネスではない。人と人のつながりが欠かせない部分。入居者同士がコミュニケーションを取れるようになっているか、そこを一番注目して欲しい。(有限会社Come on UP 永瀬泰子代表取締役)

・シェアハウスには才能あふれる方々が住んでいるというのが特徴的。外国人入居者向けの資料の作成を手伝ってくれたり、インテリアに強い方がハウスの内装にアドバイスをくれたりといったこともあった。シェアハウスに住む事で色んな可能性が広がっていく。トラブルや問題も出てくるが、可能性を潰さないような形でシェアハウスという文化を広めていきたいと思う。(Teamスキマジャパン 清水優紀代表)

・今までの集合住宅は、集合している意味をあまり発揮していなかった。マンションであれば、便利な立地を共有しているだけ。入居者同士の交流を活発化するという重要な価値観にようやく気づき始めた。コンセプト型シェアハウスをもっと増やして欲しい。今の日本では世代間の断絶が深刻になってきているので、シェアハウスという居住形態を借りて多世代間の交流が広まればいいと思う。(住宅新報社・本多信博主幹)

・寄宿舎問題については、特定行政庁※も国から明確な判断基準が出ていないため悩んでいる。一方、東京消防庁はシェアハウスという概念を指導要綱に入れている。防火対象物使用開始届はきちんと出して欲しい。協会としては行政とうまく連携するお手伝いをしていきたい。(日本シェアハウス協会 山本久雄代表理事)
※建築行政全般をつかさどる行政機関


取材後記


シェアハウスの運営事業者といっても立場や考え方は人それぞれ。今回のフォーラムでも「空き家対策」「寄宿舎問題」といったハード面、「コンセプト型」「コミュニティ」といったソフト面のキーワードが、随所で入り混じって飛び交っていました。これから議論を深めていくためには、論点整理をしていく必要があると感じました。

一般の人からすれば、まだまだシェアハウス業界は始まったばかり。「今までこういう事に取り組む団体が無かった。これからです(山本代表理事)」という言葉に素直に期待したいと思います。


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