暮らしの現場

不動産ビジネスのその先へ。食のプロを目指す人を支援する「コネクトハウス」

2013/07/10

社本浩司
社本浩司

コリッシュ見習い

新潟の学生。東京へのインターン中に初のシェアハウス暮らしを経験し、特色のあるシェアハウスの魅力に気づく。その後休学して、現在colishにてコミュニティへの取材・システム開発に携わっている。 家族以外と共同生活をする期間がそろそろ7年目に入り、これからも面白いシェアハウスで生活することを目標としている。

暮らしを創る人_コネクトハウス

icon-sample

ゲスト:株式会社 Connect House 池田龍哉さん

外資系企業2社を経て、2011年よりコネクトハウスの立ち上げに参画。2013年より代表取締役社長。日米にて、不動産や企業への投資、事業開発、マーケ
ティングなどに携わる。経済・クリエイティブ系・教育・ベンチャー・農・食・コミュニティ創りなど幅広い分野への興味が尽きないアラフォー。Twitter @ikeda_tkynyc

icon-sample

聞き手:colish代表 小原憲太郎

大学を卒業してすぐにSNSの事業を起業した後、IT系企業に就職してモバイルサービスの企画・新規事業企画を担当。独立後、Colishの運営とシェアハウスのプロデュース事業を開始。

※住民の方に焦点を置いた”暮らしの現場”の記事もぜひご覧ください。
『食』のプロを目指す仲間が集まる、コネクトハウス池上


はじめに、シェアハウスのこれから


小原
コネクトハウスでは、「食のプロを目指す人」を支援するシェアハウスを展開されていますが、なぜシェアハウスという事業形態を選んだのですか?

池田
大きく2つ理由があります。

1つ目として、会長のポールが学生時代に経験した全寮制の学生寮がきっかけです。一人で日本からアメリカに渡り、寮に住み始めた当時はまだ13歳。誰も知らない場所で生活をするのはとても心細い思いをしたそうです。
しかし、初日から、ルームメイトや同僚が色々と話をしてくれて、一緒に食事に行ったり、行動を共にすることにより、深い絆が出来たとのこと。
寮の中の友人達とは、兄弟のように生活を共にし、話し合い、お互いを尊重していました。そして寂しい時や、事が上手くいかない時には、皆が励ましてくれたと言います。ここでの生活が非常に充実し、多くのものを学べたことが大きかったようです。

creater05_3

2つ目は、ポールと私が共通して持っていた、不動産ビジネスに関する疑問が大きく関わっています。

小原
といいますと?

池田
上下左右のお隣さんを知らなかったり、コミュニティが無い不動産が多すぎます。また、ちょっときれいにして転売するという従来の不動産ビジネスは付加価値が余り感じられませんでした。ビジネスだから利回りが重要というのは否定しませんが、業界全体として少しでも従来にないものを考える必要があると感じていました。

小原
なるほど、そういう経緯でポールさんが学生時代に経験したような、他人と住むからこそ得られる学びや体験を、このシェアハウスという形で活かせないか、を考えるようになったということですね。

池田
はい、シェアハウスというユニークな居住体験を提供して人の輪が広がり、実際にビジネスにつながれば従来にない付加価値を提供できると思い、コネクトハウスを始めることとなりました。

小原
毎月とても魅力的な講師陣を迎えてのセミナーや、共用のプロ仕様のキッチンがあるのはもちろんですが、何より「食のプロを目指す人」がそうした温度感の高い住人と一緒に生活ができるというメリットは大きいですね。不動産、というよりもはや人材育成事業ですね。

池田
そうかもしれません。

小原
コネクトハウスの目指している理想は?

池田
2つあります。
1つはこのコネクトハウスの卒業生から成功者がでてくるというものです。成功の定義は株式を公開ができたとかそういう経済的な尺度ではありません。色々な成功の形があると思います。

小原
つまり、その人にとっての成功だと。

池田
そうです。自分のコンセプトを体現した店舗を持てた、ということも成功ですし、フードコーディネーターとして雑誌で連載を持つというのも成功だと思います。必ずしもビジネス的な意味合いに限らず、思い描くカタチを実現できた状態が1つの理想状態だと思います。

creater05_2

小原
シェアハウスの卒業生が、そうして大成していけたら「縦の繋がり」も出来てさらに厚みのあるコミュニティになりそうですね。

池田
はい、まさにそうだと思います。2つ目としてそんな夢を持つ住人同士で繋がって、切磋琢磨できるコミュニティが育てば最高です。結果として、払っている家賃(投資)以上の価値を感じてもらえたら理想ですね。


コネクトハウスのエピソード


小原
印象に残っているエピソードはありますか?

池田
私の大学の先輩が、コエドビールというユニークなビール会社を経営していたので、レクチャーの講師として来てもらいました。それをきっかけにして、知らぬ間に入居者のみなさんと先輩が仲良くなり、後日連絡を取り合ってビール工場の見学ツアーに行っていた、ということがありました。

小原
住人の方からの発案で色々な取り組みが起こっていくというのはとても素敵ですね。

池田
あとは自転車好きな住人が、「コネクトハウス自転車部」というものを立ちあげ、先日はここから約20kmもある中華街に行くイベントがありました。最終的には自立したコミュニティにしたいので、住人の中から自然発生的に色んな取り組みが生まれてくる文化が出てきたら、と思っていました。なので、自転車部が出てきたのはとても嬉しいですね。

小原
オープンしてから期待通り、逆に想像通りにならなかったことはありますか?

池田
住民構成のコンセプトへのフィット感は、今後ますます、高めていきたいと思っています。料理の専門学校への広報など続けていて、この一年でイタリアンレストランに勤めている人や店長をやっている人などが徐々に増えてきました。フィット感の高い住民が増えると、結果としてより活気のある素晴らしいコミュニティが出来てくると思います。

creater05_1

小原
特にこういった切磋琢磨を目指したシェアハウスでは、こちらが何を提供するかに加えて、どのような人に入居してもらうか、が最重要要素になりますよね。すでに全力で起業に向けて取り組んでいる人だけというのは理想ですが、条件が厳しすぎてもビジネスとしても続きにくくなりますし、ほど良い多様性も失われてしまう。とてもむずかしい塩梅ですが、これがうまくフィットした時にこれまでにない「付加価値のある体験」ができる場が誕生するように思います。
ちなみに、こういった付加価値を付けたコンセプト型のシェアハウスという市場をどう見ていますか?

池田
コネクトハウスは「まずは始めてみた」という感じですが、少なくとも10~20年は付加価値のある住居が増えていくのでは無いかと思います。
それと、多世代にわたる住人で住めるシェアハウスは、いま社会的に抱えている問題を解決するソリューションとなると思います。こういったものはもっと広がっていくと思いますし、逆に出て来なければいけないと思います。

小原
同感です。家族やご近所さんの付き合いが分断されてきてわかりますが、孤独死なんて昔は非常に少なかったと言いますよね。子育ての側面でも、ご近所同士、先輩パパ・ママコミュニティが薄れて、孤軍奮闘するパパ、ママが多いですね。ゆるやかなご近所付き合い・コミュニティというものが担っていた役割は、無くなって初めてその大きさに気づきますね。

池田
そうですね、本来あった姿から離れすぎた結果、揺り戻しがきているのが今の時代だと思います。

小原
道のりは長いかもしれませんが、池田さんのように、暮らしにコミュニティやコンセプトを持ち込んで変化を起こせる人たちが増えてきています。1つ1つの事例の積み上げが、少しずつ日本の暮らしの場をより豊かなものに変えていくんだと思うとわくわくしますね。

池田・小原
本日はありがとうございました。

池田さんに質問!

これまでに影響を受けたコミュニティ
x-gardenを立ちあげた内野さん、シングルマザーのためのシェアハウスの細山さん、colishの小原さんなどシェアハウス同業の運営者の方々と話をして、参考になるところは取り入れさせてもらったりしていますね。
co-baやサムライスタートアップアイランドなどのコワーキング系の動きも注目しており、参考にさせてもらっている部分はあると思います。

おすすめ or 行ってみたいコミュニティ
Hub(コワーキングスペース)の発祥地のHub Londonはいつか行ってみたいです。

聞き手:小原憲太郎が思ったこと

sample-photo コンセプトへフィット度を高めていくという話がありましたが、決して
現在住人さんにとって不満なわけではなく、じゅうぶん満足されている
点は素晴らしいなと思いました。こちらが「何か不満はありますか?」
と質問しても「特に無い、満足している」という回答ばかり。

実際に店舗開発のレクチャーに参加させてもらったのですが、
参加者の方の真剣な質問がとても印象的でした。住人の方の将来を見
据えた講師とのやりとりは、質問した本人はもちろん、聞いている参加
者も勉強になりますし、「自分も頑張ろう」と良い刺激になります。
まさにコネクトハウスの醍醐味の一端を垣間見ることができました。

また興味深かったのは、部屋の構造による副次効果でした。
コネクトハウスの物件は、3LDKを3人1組で居住し、そのグループが複数
あるという形。通常のマンションと構造的には変わりません。
そのうちの1つの部屋が「みんなのリビング化」していて、仲の良い他の部屋の住人がいつも入り浸っているとのこと。
シェアハウスを作る上では「内廊下」ですべての部屋と共用リビングがつながっていないと、コミュニティ形成が難しいと思っていました。しかし、この3人組制度によって、同居するルームメイトと深い関係を築けるという点は、従来とは違う居心地の良さや帰属感を生み出すのだと気付かされました。先日インタビューさせていただいたロイヤルアネックスに続き、まだまだ通常のマンションを利活用した住宅には可能性を感じます。


この記事のポイント

ライン
DATA

名称   : 

公式HP  : 

FBページ : 

所在地  : 

賃料   : 

管理費等 : 

間取り  : 

居住人数 : 

住民構成 : 

募集状況


お問い合わせ先

ブログ記事下ライン
コリッシュラボとは