暮らしの現場

【前編】秘訣は“半仕上げ”!? 会員約100名が集うワークプレイスco-baで場創りの源泉を探る

2013/07/13

水谷 ともゑ
水谷 ともゑ

生き方ライター

「人」と「生き方」がテーマ。各界で突き抜けて生きる人へのインタビューを重ねる一方で、次世代の暮らしや社会のあり方を研究。シティリビング名古屋でコラム「愛の処方箋」連載中。 ブログ「30歳からのオンナの生き方道」http://ameblo.jp/tomoemizutani/

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暮らしを創る人_co-ba_01
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ゲスト:株式会社ツクルバ CCO 中村真広さん

東工大大学院建築学専攻を卒業後、「株式会社コスモスイニシア」で不動産営業を担当。転職して、ミュージアムデザイン事務所で空間デザインを手掛けた後、独立。2011年8月に「株式会社ツクルバ」を設立。12月にシェアードワークプレイス「co-ba(コーバ)」http://co-ba.jp/ をオープン。オープンから1年8ヵ月を迎え、現在約100名の会員が集う場所になっている。

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聞き手:colish代表 小原憲太郎

大学を卒業してすぐにSNSの事業を起業した後、IT系企業に就職してモバイルサービスの企画・新規事業企画を担当。独立後、Colishの運営とシェアハウスのプロデュース事業を開始。


01 コワーキングの新形態「co-ba」、誕生の裏側


小原
まずは初歩的な質問から。「co-ba」立ち上げのいきさつを教えてもらえますでしょうか?

中村
25歳のとき、サラリーマンをしながら仲間4人で池袋に「A.P.T.lounge(アプトラウンジ)」http://aptweb.jp/ というカフェを立ち上げました。1人数十万程度出しあって、500~600万くらいかき集めて。立ち上げメンバーの4人の毛色が違うから、そこでイベントをするとDJやダンサー系、ガチンコの体育会系、建築やデザイン系など、いろんなコミュ二ティが混ざり合うことになった。それが、想定外のシナジーを生むんですよね。陸上サークルの人が「ウェアのデザインがうまくいかない」と話していると、グラフィックデザイナーの人が「僕がやりますよ」ってコラボすることになったり。そのときの体験が、「co-ba」につながっていますね。

小原
新卒で入社した後、2社目の会社に勤めながらカフェを立ち上げられたんですよね。

中村
はい。そんな日々の中で東日本大震災が起きて、しかもその翌々日に肺気胸になってしまったんです。入院しながら、もんもんとしてしまって…。

小原
もんもんと?

中村
そのとき博物館のデザインをする会社に勤めていて、学芸員さんの知識を子供たちに伝えるための空間設計をしたり、美術関連のアプリを開発したりしていました。本業は本業でおもしろかった。ただ、作ったものが子どもたちに伝わるのは、代理店や行政を通した後。自分とは遠く離れたところだった。その距離感にもんもんとしてしまい…。一方で立ち上げたカフェでは、作った空間でみんながパーティーをして、即笑顔が広がる。この直接的な感じがたまらない。「自分がやりたいデザインはどっちの方向性なんだろう?」と考えたときに、カフェの方がしっくりきたんですよね。

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小原
“直接感”が大事だったんですね。

中村
退院してすぐにボスに「辞めます」と話しました。そしたら、カフェの立ち上げメンバーの1人だった村上浩輝※が、「おれも辞めるから、一緒に事業しよう」って言ってくれて。以前から「いつか一緒に事業したいねと」は言ってたけれど、漢(おとこ)を見せてくれましたね。
※村上浩輝さん…「co-ba」を運営する「株式会社ツクルバ」の共同設立者

小原
ラブラブですね(笑)。その後、どんな風に「co-ba」が作られて行ったんですか?

中村
設立にあたって、当時いろいろなシェアオフィスを見に行ったんです。でも、どこもデスクがパーテーションで仕切られていて、そこに違和感を感じました。ちょうど設立準備の作業をカフェでしていたのですが、「これくらいオープンでいいんだよね」と空間のイメージを作りあげていきました。あとは、アメリカのコワーキングスペースも見に行きましたね。シリコンバレーのコワーキングの生態系をひと通り見て、戻ってすぐに立ち上げました。

小原
向こうのコワーキングスペースって、ジャズのセッションのように「その場にいる人同士ですぐにプロジェクトが生まれる」っていう空気感があるっていいますよね。

中村
それはありますよね。「co-ba」の場合、「co-baライブラリー」という本棚のシェアスペースがあったり、黒板があって議論できる仕組みがあったり、プレゼン大会や交流会があったりします。海外のコワーキングは手厚い仕掛けをしなくても自然にコミュニケーションが生まれるもしれないけれど、日本では小さなきっかけがないと始まりにくい。でも、そういう日本人的なコワーキングスペースのあり方も、いいと思うんですよね。

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02 スペースとプレイスの違いって?


小原
そもそも「co-ba」では、どんなものを生み出したいのか。それを聞きたいですね。

中村
さきほど海外のケースが挙がりましたが、僕はコラボレーションやコミュニケーションが必ずしも生まれなくてもいいと思っているんです。スポーツジムに近いイメージ。家でも腹筋はできるけれど、ジムでみんなががんばっている緊張感の中の方がやりやすかったりしますよね。隣のテーブルでIT系の人たちが話をしていると、加わることはなくても最先端のIT関連の情報を「ノイズ」として持って帰ることになる。自分の興味の範疇外なのにやたら耳に入ってくることって、次につながる必要な情報だったりする。

小原
なるほど。

中村
いろんなノイズを吸収してもらうのが、ひとつの目的です。そういう在り方を、コラボレーションやコミュニケーションに対して、「コプレゼンス」と呼んでいます。しゃべらずに帰る人はコワーキング的に失敗だとは思っていなくて、僕はそれもアリだと思っています。自分に有益なノイズを吸収してもらえれば、それだけでも価値があるんじゃないでしょうか。

小原
コワーキングスペースって、「コミュニケーション」や「コラボーレーション」が起きることを想定していることが確かに多い「co-ba」を説明するにあたって、「コワーキングスペース」ではなく、「シェアードワークプレイス」という名前を使っていますよね。これはノイズの部分まで考えているからですか?

中村
スペースじゃなくてプレイスにしたのは、「co-ba」を“場”だと思っているから。スペース・空間ではなく、空間と人がミックスされてできる“場”。竣工写真は空間でしかないけれど、そこに人のふるまいが入ると“場”になっていく、みたいな。

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小原
“人”が大きなキーワードになっていますね。

中村
建築の図面を考えたときに、そこに「寝室」って書いたから寝室になるわけじゃないですよね。寝たいと思える空間設計をしないと、本当の意味で寝室にはならない。そこに発生させたい“振る舞い”を僕らは作っているわけで、部屋名を作っているわけではない。昔から、人の振る舞いで場所を定義したいという思いがどこかにあって。

小原
その振る舞いの定義が、さっきのスペースとプレイスの違いにつながるんですね。「co-ba」の誕生から今までを“場の成長”という視点から振り返ると、どうですか?

中村
立ち上げ時は、ビジネスとして「会員を伸ばさなくちゃいけない」というミッションがあった。安定期に入った今は、「co-ba」のキャラが定着してきたなって思います。そして今、場と企業がコラボするフェーズに移行しつつある。たとえばマイクロソフトのWindows8の開発やそ及に協力したり、「チロルチョコ」のアプリの開発を「co-ba」のメンバーで行ったり。

小原
ITブログメディアで有名なTechwaveのアプリも開発してましたね。

中村
そうですね。最近、成長の推移って雑誌の創刊みたいだな、と思いました。創刊時のコンセプトと一緒に読者層が育っていって、広告を打ちたいというクライアントが出てきて…。「co-ba」は創刊して数号目というフェーズですが、コミュ二ティのキャラクターが安定してきて、そこに対してアプローチしたい大企業から現れている。そんな段階ですね。


後編はこちら


■ 後編のテーマは…
03 n対nの交流を生む秘密
04 あえて「半仕上げ」が大事!ドヤ顔で完成品を出さない


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