暮らしを創る人

【後編】世界初!コミュニティが鍵となる ワイン愛好家のためのアパートメント

2013/07/01

水谷 ともゑ

前編はこちら


暮らしを創る人_ワインアパートメント
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ゲスト:イノーヴ株式会社 奥澤菜採さん

同社の広報・PR担当。環境共生をコンセプトにした住宅シリーズ「エコヴィレッジ」のコミュニティ企画運営、賃貸管理業務を経て、ワインアパートメントhttp://wineapartment.jpを企画・プロデュースする新事業に参画。プライベートでは一児の母。

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聞き手:colish代表 小原憲太郎

大学を卒業してすぐにSNSの事業を起業した後、IT系企業に就職してモバイルサービスの企画・新規事業企画を担当。独立後、colishの運営とシェアハウスのプロデュース事業を開始。


03 「奥澤さん」って、個人名で呼べるおつきあい


小原
そもそも不動産をビジネスにしている企業が「コミュニティ」を重視するって、珍しいですよね。

奥澤
ハコだけに価値を置くと、お客様の価値観や収入が変わったときに離れてしまう。

小原
なるほど。

奥澤
環境をキーワードにした「エコヴィレッジ」http://www.livlan.com/という住宅シリーズを、グループ会社が展開しています。実は、私も同シリーズの分譲マンションに入居者として住んだことがあるんです。

小原
そこで感じたことは?

奥澤
入居者同士の心が通っていましたね。屋上にある農園で、みんなで草むしりイベントをするのが楽しかった。ちょうど結婚して妊娠、子どもが0歳のときに過ごしたのですが、ご近所さんがめんどうをみてくれたり、赤ちゃんグッズが回ってきたり、すごくよかったですね。子育てって孤独なんですよ、思いがけず。話を聞いてくれる人いるだけでぜんぜん違う。

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小原
どういう仕組みがコミュニティを作ったのでしょうか?

奥澤
1階にみんなが集える暖炉があったのが大きかった!炎って、人の心を通わせる力がある。農園で獲れた野菜を持ち込んで、ピザパーティーをしたり。農園の共同作業も大きいですね。そういうちょっとした仕掛けがあるだけで、コミュニティの形成のされ方って変わるんですね。マンション主催のイベントがあったりお隣さんとの交流が多いことを、入居前に理解してもらってそれに魅力を感じている方が多かった。

小原
ソフト面で付加価値を生み出せるってすごい。

奥澤
そうなんです。会社とお客様じゃなくて、個人と個人という関係づくりを心がけています。たとえばスタッフの私のことも「奥澤さん」と個人名で呼んでもらうような。エコヴィレッジでは、私は管理会社のスタッフでもあったのですが、実際そういう温かい関係を築くことができました。そうすると、友人や家族にこのマンションの良さを自然に伝えて広めていただける。

小原
ワインアパートメントとしては、どんな状態が理想ですか?

奥澤
ソムリエがいるときに、入居者が自然に集まってきて、ワインを軸に新しく人が繋がるといいですね。「あちらの方とワインの好みが似ていますよ」なんて、ソムリエを媒介に入居者同士の出会いが生まれたり。

小原
バーのマスターのような感じで、マスター通じて住人同士が自然と知り合い、ゆるやかなコミュニティができるような。

奥澤
ソムリエというと格式張ったイメージだけど、友達のように気軽に情報交換をできる関係にしたい。ワイン好きの秘密のサロンみたいになったらうれしいです。

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≪完≫

奥澤さんに質問!

これまでに影響を受けたコミュニティ
eco mix club(エコミックスクラブ) http://www.ecomix.jp/
株式会社リブランが運営する、エコミックスデザインという価値観を共有する人を繋げるクラブ。毎回多彩な講師を招いて、衣食住やアートなどライフスタイルを提案する定期イベントや、珪藻土の壁塗りや米作り体験、子どもと参加できるキャンプなどが開かれている。

おすすめ or 行ってみたいコミュニティ
沢田マンション http://sawamanblog.seesaa.net/
四国・高知県にある5階建ての通称「沢マン」、「軍艦島マンション」。素人夫婦が独力で建てた。増築に増築を重ねた構造が特徴的。入居戸数約70世帯、約100人が居住している。

聞き手:小原憲太郎が思ったこと

sample-photo 「コミュニティ」の重要性に気づき、実践されている会社だと思いまし
た。週末にソムリエから入居者へワインをサービスする「ウィークエンド
ワインカフェ」などを取ってみても、単なる「不動産事業」ではなく、い
かに喜んでもらうか、いかに自然に交流を持ち、コミュニティ形成につな
げるかがいろいろなシーンで考えられているな、という印象を受けました。
世界中のワインを手に入れるため、ソムリエを管理人にするため、ワイン
商社の設立をしたり、1階に惚れ込んだビストロを誘致してしまうところ
から「本気で仕掛けてやろう!」という熱意が伝わって来ました。
「そこまでするのか!」というワインライフを楽しむための仕掛けが陰に
陽にあり、素直にスゴイの一言です。
従来の管理人の概念を超えたソムリエの存在によって生まれる、心地良い
距離感、さりげない会話、コミュニティがどのように生まれるか、今年秋
の完成が大変楽しみです。


前編はこちら


この記事のポイント

ちょっとした仕掛けでコミュニティ形成のされ方は変わる

個人と個人という関係づくりが重要

従来の管理人の概念を超えたソムリエの存在によって生まれるコミュニティ

水谷 ともゑ

生き方ライター

「人」と「生き方」がテーマ。各界で突き抜けて生きる人へのインタビューを重ねる一方で、次世代の暮らしや社会のあり方を研究。シティリビング名古屋でコラム「愛の処方箋」連載中。 ブログ「30歳からのオンナの生き方道」http://ameblo.jp/tomoemizutani/

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